「うでの筋肉が切れたらしいんですけど！？」と相談を受けましたので今回！僕自身の経験もあわせてお伝えしたいと思います。
この怪我は、ちょうど上腕にある大きな力こぶが、完全断裂もしくは部分断裂したものを言います。力こぶ自体を上腕二頭筋と呼び、上の部分外側の長頭と内側の短頭のふたつに分かれています。長頭の長い腱（長頭腱）は肩関節窩の上に付き、下の部分は太いひとつの腱で、前腕親指側の橈骨（とうこつ）に付いています。
上腕二頭筋（力こぶ）の働きは、力こぶを作るが如く肘を曲げる事と手のひらを上に向ける働きをします。上腕二頭筋の断裂はその殆どが、長頭腱であって高齢者の場合！腱板の摩耗性の断裂に伴って簡単な肘の動きで断裂してしまうことが多いです。若い方から中年の方はスポーツ（筋トレや剣道など）か、肉体労働時に発生することが多いものです。
元小結舞の海修平さんが、ハワイの大型力士と対戦の際に負傷された事がありましたが、今でも記憶に残っています。かくいう僕も６年前筋トレの際に左上腕二頭筋腱完全断裂を経験しています。
僕の場合！重いダンベルを使って肘を曲げる運動（ダンベルカール）をしていて曲げ切ったあと、ゆっくりと肘を伸ばしていくとブチッ！という感じと共に、何ともいえない脱力感！！これが断裂の瞬間でした。然し！痛みは全く無く！脱力感だけが今でも記憶に新しいのが不思議です。
症状としては、力こぶを作ると大きなこぶであったものが、肘の付近のみに卵の様な膨隆を見ます。これだけでハッキリと断裂であることが判別出来ます。
受傷後！痛みの激しい場合は勿論のこと！脱力感のみで痛みの無い場合でも『必ず！最寄りの整形外科を受診してください！』高齢者の痛みの無い方は手術もなく、比較的安静にするだけで日常生活に支障はない場合が多いので、安心して受診されることをお勧めいたします。
僕の場合は受傷時４７歳で手術も考慮しましたが、仕事や田んぼの時期を考え！そのままで現在に至ります。６年経過した今！肘を曲げて力を入れると、半分の力こぶにツッパリ感を覚えるくらいで日常生活に支障は全くありません。
参考になれば幸いです。
先週末、私も上腕二頭筋長頭腱の断裂をしてしまいました。原因はウエイトトレーニング（ベンチプレス）の姿勢の悪さだったようです。まだスポーツもしたいので、手術を検討しています。保存療法を採られたとのことですので、差し支えなければご質問させていただけると有難いです。
①長頭腱が切れた後の長頭筋は、切れた当初は肘付近に盛り上がって格好悪いと思いますが、切れたままで負荷がかからないと、長頭筋部分は萎縮して小さくなっていくものでしょうか？当初のこぶは小さくなったか否かということです。
➁保尊療法の場合、筋力が2割程度下がると聞いています。私もウエイトトレーニングをするのですが、ウエイトトレーニングに耐えられますでしょうか？
玉作和也さま
コメントありがとうございます。先週末の負傷！嘸かしご心痛であったと拝察致します。自身の断裂はもう14年前のことで47歳のときでした。
トレーニングを終了しようと思ったのですが、あと少しだけ追い込もうとしたとき急激な脱力感に襲われました。そのときは、まさか断裂しているとは
思わず、ポージングしたときに左上腕がつってしまい、上腕下部の異常な膨隆に断裂した事実を知ることになりました。手術も考えましたが、仕事など
休むことも出来ず保存療法を選択。ごしんじょう療法で乗り切りました。それではご質問の件ですが、① 受傷後そして術後は負荷はかけないようにしなくてはなりません。上腕三頭筋をアイソメトリックスを行ない軽く負荷をかけるのみとした結果！断裂下部の膨隆はそれほど委縮しなかったといえます。
② 断裂しているので、やはり2割程度は下降気味！気持ち的に過度の重量はかけられないものです。軽度の重量でのトレーニングとアイソメトリックスで如何でしょう！？玉作さまの年齢も大きく関係します。やはり手術を受けられてご活躍くださいませ。拙ブログをご覧頂き、誠にありがとうございました。