先日「何でも聞いてよろしいですか?」と患者さんに質問を頂きました。『はい、僕の分かる範囲内であれば』「実は右膝の傷がなかなか治らなくて・・・。皮膚科にも何度か通っているのですが!?」しっかりと皮膚科を受診されていましたので安心し、僕の分かる範囲内でお伝えしました。すり傷や切り傷には「消毒してガーゼを当て、化膿を防ぐ」というのが今までの常識であったろうと思います。今では「傷口を水で洗い、ワセリンを塗ってラップを貼って包帯固定する」この方法がいち早く、そしてきれいに回復させるのです。これは湿潤療法といって主流になっている方法です。
消毒薬を塗布しガーゼで保護すると傷口が乾燥し、ガーゼを取り除くと再び出血!長引かせてしまいます。乾燥させないで、湿らせて潤いを与えるだけなのです。傷口から出る滲出液がきれいに回復させてくれるのです。注意したいことは、潤いなら薬用クリームが良いのではないかと勘違いすることです。界面活性剤を含む物は、皮脂を分解させます!皮脂は皮膚の常在菌の大切な栄養源であって、傷の回復、修復には欠かせないものなのです。